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Clik here to view. 本記事では、NPOにおけるコミュニケーションのノウハウとサイボウズLiveの活用方法をお伝えします。
※特定非営利活動法人 NPOコミュニケーション支援機構(a-con)様によるNPO向けフリーマガジン「npo-co」2012年4・5月号の転載記事です。
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プロジェクトを運営する ~ボランティアの力を最大限に活かすための方法~
■「プロジェクトマネジメント」のすすめ
仕事や学校で培ったスキルや専門知識を生かし、NPOだけでは実現が難しい活動を実現するためには、『プロジェクト型』のボランティア活動が有効です。
ただ、ボランティアとプロジェクトを進めるためには、彼らをマネジメントする立場であるNPOスタッフ側にも、ボランティア本人の”やりがい” や “活動のしやすさ” などに十分に配慮することが大切になります。ボランティアのスキルに依存して、作業をまかせきりにしてしまっても負荷が集中し、彼らの “活動のしやすさ”を妨げてしまうことになりますし、逆にルーチンワークや簡単な作業のみを依頼しても、ボランティアが”やりがい”を感じにくくなってしまいます。ここのバランスをいかに取るのかが重要です。
< ボランティアとプロジェクトを行うとき、ありがちな失敗 >
- 1人のボランティアに作業が集中してしまう。
- ボランティア自身があるプロジェクト内で何を行えばいいのか?わからなくなる。
- NPOの掲げるミッションや活動の成果が理解/実感できず、モチベーションが下がってしまう。
【ボランティアをマネジメントするために心がけること】
ボランティアと共にプロジェクトを進める際には、NPOスタッフがボランティアの “やりがい” と “活動のしやすさ”に配慮することが大切です。プロジェクトマネジメントを行う際には、常に『大変すぎず、簡単すぎない』作業分担を心がけましょう。いくら優秀な人でも、ボランティアとして活動できる作業量には限界がありますし、逆にルーチンワークや簡単な作業だけお願いしても、ボランティアが “やりがい” を感じにくくなる場合もあります。
多くのボランティアはその活動を通じて「やりがい」と「人とのつながり」を得たいと考えています。活動の理念やプロジェクトの進捗を出来る限り “見える化” して「チームで達成する喜び」を1人1人が感じられるよう、マネジメントを行いましょう。
プロジェクトマネジメントの “いろは”
プロジェクトとは、「何らかの課題解決のための戦略を立案し、目標達成のためのプランをチームで実行していくこと」です。チームで活動をする以上、適切なマネジメントを行わないと、メンバーの力を十分に生かせないばかりか、活動自体が停滞してしまうことにもつながります。
ここでは、失敗しないチーム運営のために必要な『プロジェクトマネジメント』のいろはをご紹介していきます。
■その1.「何を」を洗い出す
プロジェクトマネジメントは、プロジェクトのゴールまでに行うべき作業を洗い出すところから始まります。「漏れなく・ダブりなく」を意味するMECE(ミーシー=Mutually Exclusive and Collectively Exhaustingの略)という言葉がありますが、作業項目をMECEに洗い出すことそれ自体に専門的なスキルが求められます。
例えば、イベントを開催するためには、「どんな備品を用意するのか?」「登壇者の発表資料はいつまでに提供してもらうか?」「イベント当日に出たゴミは、どう処理するのか」などの細かい項目を抜けなく洗い出す必要があります。しかし、そもそもイベントを一度も運営したことがない人にとっては、MECEを完璧に行うことは難しいでしょう。
とはいえ、プロジェクトチーム内にいつも経験者がいるとは限りません。また、その分野の専門家がいたとしても、作業項目の洗い出しは結構手間がかかるものなので、専門家に一任してしまうと負担が偏ってしまいます。
そこでひとつのテクニックとして、専門家にピンポイントでサポートしてもらうことをおすすめします。チームメンバーがリストアップした作業項目をチェックだけしてもらう、MECEに考えるための枠組みを教えてもらうといった具合です。
■その2.「誰が」行うか?作業を割り振る
作業項目を洗い出し、ゴールまでの道のりを『見える化』したのち、その項目1つ1つを『誰が』行うのかを決定します。
プロジェクトを進める際にありがちなのが、「この作業、誰がやるんだっけ?」といったチーム内でのキャッチボールがうまくできず、期日が迫ってきた時に慌てて作業をする、という失敗。
「作業のボールを誰が持っているか?」を事前にしっかりと確認し、1つの作業が終了したら、次は誰が何を行うのか、的確にキャッチボールをしていくことが、プロジェクト進行を円滑にし、成果物のクオリティ向上にもつながります。
■その3.「いつまでに」を管理する
『なにを』『誰が』作業するか?を整理し、分担したあとは、それを『いつまでに』行うのか?スケジュール管理をしましょう。特に本業のかたわらで作業を行うボランティアでは、やむを得ない事情で、どうしても期日までに割り振られた作業を行えない、というケースが頻発します。
そんな時に備え、1つ1つの作業項目に対して、余裕を見てスケジュールを組むことが大切ですが、もし期日内に作業が完了できないことが分かったら、本人から「間に合いません!」とSOSを上げてもらうことも必要です。
場合によっては、「誰が」の割り振りを考え直し、期日を再設定しましょう。このタスクの再設定をいかに素早く、頻繁に行うかが、プロジェクト成否のカギを握っているといっても過言ではありません。
また、作業につまずいたら、それを抱え込まずに他のみんなでフォローをする、そんな雰囲気づくりをするのも、「プロジェクトマネジメント」の秘訣の1つです。
【Co-Workingを取り入れよう!】
最近、「Co-Working(コ・ワーキング)」という言葉をよく目にしませんか?これは「コラボレーション・ワーキング」の略で、打ち合わせなど必要なとき以外にも、なるべくみんなで集まって作業をしよう!という考え方です。「1人ではついつい滞ってしまう作業も、みんなが1つの場に集り、コミュニケーションを取りながら進めると、効率よくスムーズにこなせる。」そんな経験、あなたにもありませんか? 本業が忙しいボランティアメンバーを集めて一緒に作業をするのが難しいこともありますが、拘束力の緩いCo-Workingの機会を用意してあげることで、プロジェクトが円滑に進むことがあります。チームメンバーの『一体感』をつくるためにも有効ですので、ぜひプロジェクトに取り入れてみてください!